本をたくさん読むことを目標にする場合は、その月に読破する冊数を、月初か前の月の末にでも、設定しておくのがよいでしょう。年に何冊、月に何冊と目標を決めて読みこなしていくのは、ゲーム感覚で楽しいものです。目標を設定してしまうと、達成したくなるのが人というもの。自分を楽しませながら読書の実をあげていきましょう。

さてそのような目標を達成していくために、あらかじめ今月読む予定の本を揃えておいて、「今月の棚」を作るという方法があります。本棚(もしくは棚)の目につくところに特別のコーナーを設け、そこに、その月にこれを読む!と決めた本をずらりと並べておくのです。

目標を達成するには、その内容を紙に書き出していつも目につくところに貼り出しておくとよいと聞いたことはありませんか?実際それは大変効果があるようなのですが、それと同じように、いつも、「今月の本棚」を目にしていれば、そのたびに、それらを読まなくてはいけない、という指令が頭に刷り込まれ、自然とそれらの本に手が伸び、次々と読み進めていけるようになります。

また、読み終えるたびにその棚から本を取り去っていくので、目標の進捗状況がひと目でわかります。一冊減らすたびに、また、月の半ばなどに、その棚の本が減っているのを目にするたびに、達成感が繰り返し得られるでしょう。小さな達成感の積み重ねというのは、自信をつけるためにも、また、なにかを習慣にしたり、設定した目標をやりとげるために大切なことです。目に見えるかたちで目標を定め、その達成度も毎日目にしていれば、本を読み進めていくのが、いっそう楽しくなるでしょう。

また、「今月の本棚」を作って、読もうとする本を一度並べてみるというのは、自分の読書内容を把握する、もしくは設定するのにも有効です。つまり、そういう棚を作ることによって、自分の読書傾向のバランスを知る、あるいは作ることができるということになります。

さまざまのジャンルのものを、自分なりのバランスを取って読み進めたい人は、棚に本を並べていきながら、このジャンルはこれだけ、こういった本はこのくらい、と、その月の読書内容の配分を決めていくことができます。実際に本を並べて目で確かめながらそれをやると、ページ数(分厚さ)までわかるので、量的なバランスも取れることになります。こうした割り振りや見直しをせずに気分のままに読んでいくと、読書傾向というのは偏りがちになるのです。特に、読もうとするジャンルが複数ある場合は、こうした工夫をすることにより、希望どおりのバランスで、万遍なく本を読み進めていくことができます。

一方、敢えて偏った読書計画を立ててみたい時もあります。今月はこれについての本を固め読みする!と決めた時です。そういう時にはこの棚に、ずらりと、ひとつのテーマに沿った本が並ぶことになりますが、それはなかなか壮観です。今月はこのテーマをものにするぞ!と気合いも入るでしょう。

月初めなどに読書計画を立てるくせをつける、読書内容や読書の進捗状況を目で確認できる、という点で、「今月の本棚」作りは、楽しく読書を続けるために、役に立つ方法だと思います。