子供の頃、「マンガで学ぶ」などと謳われた、歴史や数学や文学などを解説したマンガを読んだことはありませんか?古典文学作品は、そのまま、もしくは翻案されてマンガの作品になっていたりもしますね。今やいろんな種類の書籍がマンガ化され、新たにされ続けています。そして、ビジネス書もその例外ではありません。

有名な(そしてしばしばぶ厚い)ビジネス書やその解説が、マンガ化されて発行されています。仕事に生かす、もしくは知識として持っておくために、有名なビジネス書を読んでおきたいと思っている方にはそんなマンガもお勧めできるでしょう。

そうしたマンガは、本編を読む前に読んでもあとに読んでもいいと思います。なんと言っても、そうした本はぶ厚いことが多いし、うまくペースを掴むまでは読みやすいというものでもないので、先にマンガでエッセンスや内容をある程度掴んでおいてから本編を読み始めると、理解も早くなるし、見当がつくので読みやすくなることが期待できるからです。また、マンガを読んでいて気になったところ、本編ではどう書いてあったか確認したいところから、もしくはそこを重点的に読むなど、効率的で自分なりの生かせる読み方が、しやすくなってくるでしょう。

一方、本編を読んだあとでマンガを読むのも、理解を助けるという点で大いに有効でしょう。マンガ化されているものは、本編のエッセンスや重要部分をえり抜いて書かれていることが多いので、そういったところの確認にもなりますし、本編の文章ではわかりにくかったところを噛み砕いてわかりやすくしてくれていたり、具体的な例をあげて、書かれている内容をよりピンとこさせてくれる、または応用して自ら実践するヒントを教えてくれたりもするからです。普段から本を読みつけている人でも、本編を読んだあとに、より理解を深めるために、マンガの解説書を併せて読む人はけっこういます。

あるいは、そうした解説書の噛み砕き方に、違和感を覚えることもあるかもしれませんが、そういう反応ができるのは「自分の読み」が出来ているということの現れなので、上級の反応であるということができるでしょう。その違和感は大切にして、けして否定しないで下さい。その違和感が、同じ著者の、または同じテーマの、他の本をもっと読んでみようという原動力になることもあります。

いわゆる「有名」なビジネス書は、一般的なことや原則的なことが書いてあることが多いので、わかりにくい部分も確かにあります。それを未消化にしてただ字面だけを追い終えたというのでは、楽しくないし実際に自分の役にもたたないし、読書がいやになってしまう可能性もあります。マンガの力を借りて、一冊の本を「ものにした」という経験こそが、次の読書にあなたを誘うことでしょう。

解説書だけを読んでいては、その本の真の魅力や価値にふれることも「自分」の視点を得ることもできないままなので、マンガ化されたものだけを読んでいればいいというものでもありませんが、ビジネス書、大著を読み始めるきっかけとなるもののひとつとして、マンガで書かれたビジネス書の解説書があるということをご紹介しておきます。